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「不況克服の知恵」 松下幸之助:著

2009.06.01  

 「経営の神様」と呼ばれた松下幸之助氏は、幾度となく訪れた不況にも、屈することなく小さな町工場を世界の企業に育て上げた。しかし、常に余裕を持って淡々と経営を行っていたわけではない。それは松下氏が修正、酸い味時間が短く、不眠を訴えていたことにも現れている。眠れぬほどに経営について思い悩み、なんとかして現状を打破したいと考え続けた結果ではないだろうか。
 事実、創業してしばらくの間は、好況、不況の波に一喜一憂することの繰り返しだった。そして、創業から10年ほど経ったころに、
 「考えてみれば、いつも好況ということもなければ、不況の連続ばかりということもない。だから、景気のよいとき、悪いときをそぞれ生かすのは自分の考え方次第だ」
 と、思い至ったといっている。
 果たして2ヵ月後、在庫を売り尽くしたうえに、工場は全力をあげて生産に努力せねばならないほどの活況を呈するに至ったのである。松下は後日、
 「このときの体験が従業員全員にとっても、大きな自信となった。断じて行えば必ずものは成り立つという力強い信念が、このときに植えつけられたのだ。これ以来、松下電器の経営はさらに大きな力と信念とを持って遂行されるようになった」
 と、語っている。
  そうした経営の信念が、昭和11(1936)年に発表した「商売戦術三十カ条」として表現された。
(本書より)  

 三宅からのメッセージ
  ピンチはチャンスととらえてこの時代を乗り切って行きましょう。